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[86] 第29回明治神宮薪能

2010年10月11日〜明治神宮薪能〜

日本音響家協会 会長 八板賢二郎氏のブログで紹介されましたので、転載させていただきます。明治神宮薪能は第29回を迎えました。国立能楽堂の建設を請け負ったゼネコン・間組が、それを記念して始めたのがこの奉納能です。
初 回から音響を担当していますが、さまざまな面で歴史を感じます。音響機材も30年もの間には進化しましたが、これまで最も音声と和楽器に適したスピーカは ボーズ社の502です。全くといってよいほどイコライジングするのが嫌いな私にとっては申し分のないスピーカですが、あまり普及していません。
結局、502を所持している音響会社は皆無に等しいので、402を使用し続けています。しかし、今年は珍しいスピーカを使用してみま した。現在まで特に不自由もなく、主催者からクレームが付いたわけでもないのですが、半分は好奇心でNSE社の変わり種スピーカを使用しました。実はこのような大規模な催しで実験的に無経験のスピーカを使用するには度胸がいるのです。失敗したら、これまでの信用を失墜するからです。それをあえてや るということは、たまには緊張感を吹き込んで仕事をしたかったと言うのが本音です。「まあ、何とかなるさ」という楽天的な考えは、 長年にわたって手厳しい人たちと仕事をやってきて、開き直りの技を身に付けているからなのでしょう。 この日は祭日とあって参詣客も多く、結婚式の件数も多かったのです。朝から、ごった返す境内に2000席の座席を組み立てるということですから、音響の仕込みが完了するのは観客の入れ込み寸前になってしまいます。 参詣客や神社のセレモニーに注意を払い、チェック・ワンツーなどと大声でのチェックはご法度。最近はピンクノイズでやっているので、それほど目立たずにチェックを済ますことができます。 2000席ということは、後方の観客に舞台両サイドのスピーカでは音量不足なので、後部座席のためのスピーカを設置して、それをディレイ装置で110m秒を遅らせています。 今回使用したスピーカは、金属製のキャビネットなので共振がなく箱鳴りしないで、生っぽい音がでるのではという望みを抱いての試みです。 本番中、さまざまな位置でチェックしましたが、客席後部ではディレイスピーカとメインスピーカと巧く馴染んでいたし、特にお囃子の音が生々しくSRされていました。
いつものスピーカの箱鳴りによる低音の圧迫感ないと満足しないプロの音響技術者たちには物足りないと思いますが、一般の方々の先入観なしの感想は良好でした。私のように加齢による難聴者にとっては、明瞭な音が聞こえて満足しました。
日本語をきれいにSRできるスピーカは、邦楽器(和楽器)にも適します。

*この後11月3日、これまでのPA装置で悩まれていたコーラスグループにお貸ししたところ、音響担当者から次のようなコメントをいただきました。 『宮崎カトリック教会のレクチャーコンサートで使用いたしました。レクチャーを担当された宮崎大学教授は、初めてキンキンしないスピーカの音だと、たいそう喜 んでおられました。宗教音楽専門のため残響の多いところでのレクチャーが多く、これまで体験したことのない素直な音でとてもやりやすかったとのことでし た。また、日本音響家協会関係者も多数出席されていたので普段使われているスピーカとの差を如実に感じ、すばらしい音だと絶賛されておりました。』


 

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